とは言え、普段から人間の恐さを聞かされていても、生意気盛りの妹狐はまだまだ実感出来ていませんでした。
「そうだ♪
『お金』って人間のモノが何でも買えるのよね?
手袋をタダで手に入れられたら、人間の食べ物を味わうチャンスじゃない(はぁと)」
育ちざかりのリナは、一族の誰よりも食いしん坊なのでした。
やがて、ルナが教えてくれた『黒いシルクハットの看板』が見付かりました。
どうやら目当ての店に、ようやく辿り着けたようです。