『桶かつぎ』

By ひたきさん   

<<リナちゃんのひとりごと>>



   ……何コレ、読みにくいわねぇ。古典の現代語訳風?何ソレ?
 読みにくちゃ意味ないじゃない。
 要するに原作の『鉢かつぎ』のパクリじゃないの。……ほぼまんまね。
 まあいいわ、訴えられるのあたしじゃないし。
 えーとなになに?
『桶かつぎ…ガウリイ。主人公。不幸な運命に流される役。』
 ふむ。弱いわねー。何も考えてないだけかしら。くらげだし。
『姫…リナ。ヒロイン。攻め。』
 姫は当然として……攻めって何?
『中将…某とーちゃん ガウリイを拾う役』
 ふぅん。とーちゃん、これの何が不満なんだろ。
『その他諸々…ちょい役または引き立て役』
 ……いやまあほら、もうちょっと言いようがあってもさ、これじゃああんまりにも。あたしは別にいいけど。
『内容…母親が死ぬ間際にガウリイに観音様のお告げだと言って鉢を被せるが、一年後継母が桶に付け替える。家を追い出されて苦労した数年後とーちゃんに拾われ、そのまた数年後苦難の末に桶も取れてリナとらぶらぶはっぴーえんど』
 って、どーしてあたしがガウリイと、ら、らぶらぶなのよぉ!?
 しかもこれだけしか書いてないし!アバウト過ぎよ!
 台本誰よ!出てきなさい!
 え?
  ゼロスが出てこないから台本係兼語り手ってことにしようかって?
 ……ふーん、つまりあんたなの。
 うん、だから黒幕。
 何言ってるのよ。もち、あたしの笑顔は百万ドルよ。

 とうっ。というリナちゃんの掛け声とともに鈍い音がする。
 ジ・エンド。



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