桶の底・・・

By P・Iさん    

「リナ、なにを考えてる?」
「ねぇ、ガウリイ‥‥。
 やっぱり父ちゃんに話した方がいいんじゃないかしら? あの桶‥‥」
「なんだ、まだそんな事気にしてたのか」
「だってなんだか可哀相で‥‥。
 あれからもう何年にもなるのに、父ちゃんったらちっとも気づかないんだもの。
 あの桶‥‥」
「箍(たが)緩んでいて、いくら水を汲んでもすぐ漏れちまう。
 だからオレ、修理に持っていこうとしてたのにな‥‥。
 別にいいんじゃないか?
 あの時オレが説明しようとしたのに、聞かなかったのは向こうの方なんだぜ。
 それに、せっかくお前の親父さんがあんな一生懸命“仕事”してるんだ。
 ガッカリさせるのも気の毒だろ?」
「そう、ねぇ‥‥」
「そんなことより、リナ。 もっとこっちへ来いよ」



「‥‥‥‥あん♪」








  ・・・・・おわじ(汗)☆





その1へいべんとほぉるへげすとるぅむへ