『スケート上手』
「湖がいい具合に凍ったから、着物のままスケート行こうぜ♪」
……って、
あたしやったコトないんだってばぁ!
転んで晴着を濡らしちゃったら、姉ちゃんに怒られるじゃない!
でも、ガウリイったら、
「大丈夫だから」
の一点張りで。
案の定、よろよろしてるあたしを支えてくれる。
ねえ、ずいぶん嬉しそうなのは……気のせい?
「ほら、上手なヤツがいるぞ」
…………って、あれって……!
確かにその黒い見事な毛皮の御仁は、
たしかにスケートが達者だった……けどねぇ。
……スケートって、そんなに簡単なモンなんだろか???