By らぐぢすさん
何かと慌ただしくも年が明け、気が付けば憂鬱なテスト期間中・・・ 静かな図書館には真面目にテスト勉強に励む学生。 あたしもその中1人で、あたしの目の前にいるこの男ももちろんそうなのだが・・・ 「・・・・・。」 ニコニコ 「・・・・・。」 何が楽しいのだろうか? 最近は忙しがったせいでまともに会っていなかったからかもしれないけど。 カリカリカリ ニコニコニコ ペンを動かす音が微かに耳につく中彼はただ嬉しそうに笑う。 「ガウリイ…」 「ん?」 「うざい。」 「り、リナ!?」 なんだかムカついてそう言うと頬に落ちてきた髪をはらう。 「・・・・なぁ、リナ?」 不思議そうなガウリイの声。 「なによ。」 ぶっきらぼうに答えノートに目を落とす。 視界の隅でガウリイが動くのが見えた。 伸びてくる大きくて節くれ立った指。 「これ・・・・」 「ん?ピアスが何?」 髪に隠れていて今まで気が付かなかったらしい。 そっと触れられる。 「・・・・・・なんでこんなのするんだ?」 少し不機嫌な声音。 「なんでって・・・いいじゃない。」 「イヤリングでもいいだろ・・・」 「まぁ、そうなんだけど!いいじゃない別に!!」 そっぽを向く。 気づかれていないだろうか?顔赤くないかな?? 言えるわけないし・・・恥ずかしくて。 そんなことを思っていると身体の両脇からにょきりと伸びてくる太い腕。 何時の間に後ろに回ったのか知らないけど、背中にもたれるなーーー重い!! 「ちょ、ガウリイ重い!」 「だってさ・・・」 「なによ?」 「コレ邪魔だろ・・・」 「は?」 「はぁ・・・俺の楽しみの邪魔になるじゃないかぁ・・・」 「はぁ?」 意味が分からず首を傾げるあたし。 その耳元でガウリイの低い声が響き、ぺろりと湿った感触。 「ひゃうっ!?」 「・・・やっぱ邪魔。」 「ガウリイ・・・あんた馬鹿?」 「なんだよ、いいだろ〜なぁ外さない?ソレ。」 「いーや。」 結局ガウリイが大人しくなったのはあたしが正直に穴を開けた理由を言ってからだった。 たまたま見つけたコレガウリイの色に似てたから・・・って。 |