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 大学の学食はマズイ。
 
 
 まぁ、公立大学の学食に美味を追究するのもアレだけど、もう少しなんとかならないものかしら?
 
 
 そんなことをついつい考えてしまうのは仕方のないことなのかもしれない。
 
 
 「あ、いたわ・・・あの子よ。ガウリイ様の・・・」
 
 
 「嘘!アレが!?ちっとも釣り合わな〜い。」
 
 
 そして、こうして1人でマズイご飯食べて機嫌が悪いときに限ってこういうのが出てくるのもどうにかならないかしら?
 
 
 と、無駄なことを考えてしまうのも仕方のないことだ。
 
 
 「ふぅ・・・」
 
 
 溜め息一つ。
 
 
 ちゅるちゅると揚げが甘ったるい、きつねうどんを食すというよりは流し込みとりあえずは無視。
 
 
 「服だってダサイしぃ〜」
 
 
 悪かったわね・・・でもこの服選んだのガウリイだし。
 
 
 「でも・・・首席らしいわよ・・・」
 
 
 「えー?それって只のガリベン女じゃない。あんな子にガウリイ様は勿体な〜い!」
 
 
 「ちょっ!?聞こえるってっば・・・」
 
 
 だったら、アンタみたいに見るからに”バカ”な女はガウリイにお似合いだと言うのかしら?
 
 
 それに・・・あの男の実体を知らないから夢が持てるのよ。
 
 
 ホントは、最低で、最悪で、スケベで、変態で、すぐ人に『好き』って言わせたがる図体デカイ子供よ!
 
 
 コ、ド、モ、!!
 
 
 そうやって言ってやりたいけど・・・余計に絡まれるのも面倒。
 
 
 結構ガウリイ絡みの厄介ごとって多いのよね。
 
 
 「はふぅ・・・やだなぁ〜嫉妬深い女って鬱陶しくて・・・」
 
 
 つい漏れた本音。
 
 
 そして敏感に気が付くバカ女。
 
 
 始まる一方的な罵声。
 
 
 ふぅ・・・と溜め息一つ。
 
 
 そろそろかしら?
 
 
 顔を上げ、彼女らを一睨み。
 
 
 「っ・・・な、なによ!?」
 
 
 すぅーっと目を細め微笑み一つ。
 
 
 「・・・・!?」
 
 
 完全に言葉を無くした彼女。
 
 
 そんなギスギスした空気を破るのは何時ものあの声。
 
 
 「リナ〜♪」
 
 
 噂のオウヂサマ。
 
 
 トコトコ何食わぬ顔で傍まで来て、あたしの前に腰を下ろしちらりと硬直している女を見上げ・・・
 
 
 「コレ知り合いか?」
 
 
 物扱い。
 
 
 まったく何時も通り。
 
 
 「全然。」
 
 
 そう答えるあたしも何時も通り。
 
 
 「っ・・・!」
 
 
 走り去る女も何時も通り。
 
 
 そしてこの男の一言も・・・
 
 
 「何だったんだ・・・アレ?」
 
 
 やっぱり、最後まで物扱いの言いよう。
 
 
 あたりはどんぶり持ち上げて、美味しくはない出汁を飲み、サラリと答えた。
 
 
 「さぁね。あたしがイイオンナだから嫉妬してるのよ。」
 
 
 「よくわからんが・・・まぁ、リナは良い女だよ♪」
 
 
 「アリガト」
 
 
 
 
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