By らぐぢすさん
大学の西側にある階段下。
ここはあまり人が来ない。
「ん・・・・」
目を瞑り、
太い腕を支えに使って背伸びして、
顔を上向かせれば唇に落ちてくるキス。
触れるだけのソレがいつからか、深く滑り込むようになった。
彼の長い髪があたしの頬を滑り、顔を隠す。
唇が一瞬離れ、すぐに角度を変えて滑り込んでくるソレを受け入れながらふと目を開
けた。
「っ!?」
出会う青い瞳。
優しく細められたそれが可笑しそうに笑う。
悔しくて、バカみたいに子供じみたプライドが出しゃばってあたしはその目をにらみ
返した。
二人で見つめ合って口付けて・・・
「んっ・・・」
だんだんくらくら熱くなって目を閉じそうになったころ、ようやく長いキスが終わ
る。
「・・・・・な、で・・・」
「ん?」
「なんで!目開けてるのよ!?」
キスの最中、何時もにあんなふうにあたしの顔見てたのだろうか?
そうなら、悪趣味。
なんか、ものすっごーーーーく、アクシュミ!!
「いや?だってその方がリナの顔、見れるし♪」
「『見れるし♪』ぢゃ無い!!ヤメテよ恥ずかしい!!」
そういったら、この男・・・何で?と言わんばかりに首を傾げた。
まったく!解っているのかしら?
大体、前から思ってたけど・・・この男にはデリカシーってのが無いのよね。
まぁ、期待するだけ無駄だけどさ・・・
それはそうと・・・
「ねぇ・・・」
「ん?」
「キス・・・」
「?」
「・・・キスしてるとき・・・あたし変な顔してる?」
なんとなく、自分の見えない顔ってのは気になる。
例えば寝顔とか・・・そういうの。
聞いたら、さらり、金髪が揺れる。
「いや。」
簡潔に答えて微笑むガウリイ。
頬に彼の手が触れ唇を撫で、顔を近づける。
吐息がかかるほど近く。
目を細め、視界が完全に暗くなってキスを待つ。
「・・・!?」
なかなか触れないそれに疑問を抱き目を開けた瞬間を狙ったように重なった。
青い瞳から目がそらせずに視線が絡まる。
キスと同じくらい深く。
熱が混ざり合っていくのが解る。
頬が熱くて、自然と甘い吐息が漏れた。
よく見れば彼の青い瞳も、熱に浮かされたように潤んで・・・
ゾクゾクしそうな色香が漂って・・・
「ふっ・・・」
「こうやってキスするのも、結構いいな♪」
「時々だけなら・・・ね?」
人気のない階段下の壁際で、
二人じゃれ合いながら、
笑った。